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死ぬ気でバイト大作戦。〜恋するココロ・獄寺編〜
貴腐人 パロ小説 / さくら
お約束ですが集英社・天野先生並びにやなせ先生には無関係の二次創作です。
貴腐人・腐女子で山本×獄寺OKの方だけ続きを読む、をクリックして下さい。

 広場には子供達が徐々に集まり、メープルマーガリンマン達のパフォーマンスを歓声を上げながら眺めていた。
獄寺にしたらいつもの行動なので、特に過剰な演技をする必要はない。
蒸し暑い。
何だかそんな気がするのは先刻からの山本の様子が変なせいもあるかも知れない。
いつもならツナに対して意地の悪い事をする奴ではないことは知っている。
なのに、何かが変だ。

獄寺は思う。

スラム暮らしで「その手」の輩の視線は解る。
値踏みしながら猥らな視線だ。
しかし、山本のそれは似て異なる。
困惑・嫉妬・混乱・それと泣きそうな哀しさ。

何でそんな目で見るんだよ。

面と向かって言ったことこそないが、『そういう』感情が山本にあることは知っている。
知っているからといって自分から言葉にする必要はない。
獄寺はそう思っている。

ただし本人がそれと気付いていないという山本マジックは獄寺のように過敏な神経の人間には解らない。
過敏にならないでいられるのは飽くまでもツナという存在に対してのみだ。
あまりにも普通な中学生であるツナだから獄寺の神経は尖らずに本来の姿である無邪気さが表面に出ているに過ぎない。
山本とは少し違っていた。
マフィアの家に生まれ、そこから飛び出してスラム街で暮らし今日まで生き延びてきたのは日本の一般家庭では考えられない。
想像するよりも他人の顔色を伺わずに自己を保っていく実力を持つことは獄寺隼人の当時の年齢では不可能だった。売り飛ばされてもおかしくない場所で生きてきたのだから山本のような鈍感さが齎す安定はない。

だから、接点が山本と獄寺にはツナしかなかった。

笑っていればいい。
気がつかないふりをして、喧嘩を売りながら。

それが獄寺の処世術だった。
持つものが少ないものほど、其れを喪う事を恐れる。
友人など居たことがない。
そんな風に喧嘩を楽しんだこともない。

コワレタラ イヤナンダ・・・

暑さでぼんやりと考える。

逃げ出した後、身の危険は多岐に渡り山積みだった。
見た目の秀麗さ故、そんなことも何度か遭った。
それでも生きてきた。

そんな自分のネガティブな面を、誰にも見られたくない。
何故か山本には気付かれたくなくてパフォーマンスにも力が入る。
十代目のために、十代目のために、十代目のために

せっせとジャンニーニがダメにした花火になったボムを投げる。
意識の遠くで子供達の歓声が聞こえる。
熱い白昼夢のような光景の中で身体だけは勝手に動いて風船を配る。

映画のワンシーンみたいだな。

暑さの中で獄寺は乖離していた。山本のザッキンマンの分もツナと二人で配り終える。
心は、どこかに散らばっている。
暑さの所為だ、と思いながら役目を終える。

突然山本の声が振ってきて、獄寺は我に帰った。
「お前ってさー・・・ツナ好きなのな。」
「はぁ?当たり前だろ。お前だって・・・」
「そうじゃなくって。」
語調が強くなったことに山本は気がついていない。
「そうじゃなくって・・・・ツナに対してさ、なんつーか。」
着ぐるみ越しでも明らかに獄寺は狼狽えた。
トウトウ イワレテシマウ
視線が、絡む。
沈黙。
「なんか、ツナがお前にそーゆーのはいいけど・・・お前がツナにそーゆーの
何か厭みたいだ。」
山本は自分でも首を傾げ、獄寺は着ぐるみの中の温度が上昇するのを感じた。
顔が熱くて、言葉が喉に詰まる。
「な・・・にゆって・・・」
「なんか上手くいえねー」
山本は着ぐるみを着たまま頭を掻いた。
ソノママ イワナクテイイ
着ぐるみの口の部分から出た目で山本が寂しそうに笑う。
ナンカ イタイ
「二人ともー、ショーまで休憩だってさ」
痛みに耐えかねる。胸が山本の視線で痛むのをはっきり感じる。
コレイジョウ キキタクナイ
遠くでツナが呼んだのを幸いに獄寺はその場から走り去った。

山本の方を振り返ることもなく。

続く。



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