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死ぬ気でバイト大作戦〜ちょっとブレイク〜
貴腐人 パロ小説 / さくら
 お約束ですが、この小説は独断と偏見による腐女子・貴腐人に向けて書かれた私小説であり、集英社・天野先生ならびにやなせ先生とは一切関係ありません。

ちなみに風船くばりの間、雲雀さんが何をしていたか、という流れになっていて
ハルさんと雲雀さんのカラミが見たい方だけ「続きを読む」をクリックして下さい。

以下本文

 面倒なことは手早く終わらせてしまいたい。
雲雀恭弥は優雅に楽をし、それでいて残ったエネルギーはとことん自分の趣味に費やす並ならぬ風紀委員長である。
携帯が並盛中学校校歌を流す時、雲雀は大抵素早く面倒事を片付けていた。
但し、それは概ね荒事において天下一品なのであり、そうでない事例で雲雀の携帯電話が鳴ることは殆どない。
長いストライドで、雲雀は園内を歩いていく。出来れば早々に昼寝がしたい。
そんなことを思いながら、トラブル発生の報を受けた園内入り口のアーチ付近に辿り着いた。
困惑した数名の風紀委員の輪に割って入る。予想していたのは、大方チンピラかその予備軍になるだろう男子学生の始末だと思っていたので手っ取り早く済ませて冷房の効いた部屋に戻ろうと袖口で仕込みトンファーの柄を握った。

しかし、予想に反してそこには良家女子が通う制服姿の女子中学生が気の抜けた泣き声で泣いているばかりである。
これではまるで風紀委員が他校の女子生徒によからぬことをしようとしているようにしか見えない。コワモテの風紀委員達はおろおろと少女を宥めようとするが、困惑した表情すら脅迫にしか見えない面々である。
「はひー・・・・、ハ、ハルはですね・・・」
声を出すのもやっと、という風情で少女は頭を抱えてしゃがみ込んでいる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何?」
脱力しきった雲雀が、かなりの間と共に形容し難い表情でその場に居た風紀委員に問うた。
言外にこんな事に自分の手を煩わせようというのか、という非難の色が刃となって数人の厳つい男(これもまた雲雀の表情以上に中学生とは形容し難い)の喉許に突きつけられたように場の空気の温度が下降する。
「スンマセン、自分達、顔が醜悪でして、彼女は怯えて話も満足に出来ませんで・・・」
草壁がいない割にはナイスフォローというべきである。
「夏休み明け、風紀委員の部屋に来るように。状況の説明はまだなの?」
コワモテの連中がさらに低姿勢になる少年である。少女からしたら余程そちらの方が恐ろしかったのだろう。誰が説明するよりも早くマシンガンの如く自ら喋り始めた。
「ハル、お財布忘れてウッカリ園内に入っちゃったんですぅ〜・・・ハヒー、毎日並盛中学校の制服を着た男の子と一緒に歩いてる赤ちゃんが可愛くて、可愛くて着いて来てたらすっかり園内に料金も払わず入ってしまったんです〜・・・」
どうやればゲート以外の場所から進入できるのか、そちらの疑問のほうが先に立つが、
雲雀は「赤ちゃん」の単語に反応した。
「・・・へぇ、その話本当?」
「ハヒ。壁伝いにハルの家から歩いてきて、東側の植木に飛び移って中に入ったんですが、それっきり見失うわ、ここが並盛遊園地だって気がついたのはその後で・・・」
少女はカラフルな携帯電話を握り締めて半泣きのまま語った。
「お父さんに財布を取ってきてもらおうと電話したんですが、海外出張にでてしまったんですぅ〜」
少女は携帯を雲雀に指し示すと、堪えきれずにというより外聞もかなぐり捨てて泣きじゃくった。
待受け画面にはピンボケスレスレで画面の端に黒いスーツを着た幼児が映っている。
「ハルは売られてしまうんでしょうか!?ハルは・・・ハルは・・・」
「3秒以内に泣き止まないと本当に売り飛ばすよ。」
ハルという少女には目も刳れず、携帯の画面に映った2、3歳児を眺めながら雲雀は言った。即座にハルは泣くのを止める。当然、雲雀が本気だったからであるが、自分の待受け画面に魅入っている美貌の少年が何某か赤ちゃんに興味があると気付いたからだった。
「ふうん、やっぱキミ、頭は悪くないんだね。」
視線をハルに戻し、携帯の番号を風紀委員にメモさせ終えるとハルの手に携帯を返した。
「この赤ん坊について知ってることを話してもらえる?ココの入園料金分は後で持ってきてもいいし、赤ん坊を見つけたいならバイトで払ってくれてもいい。丁度人手も足りてないし。」
「ハヒ!!ハル働きます!!」
満面の笑顔でハルは答えた。
「いいんですか?!」
風紀委員が意外な展開に疑問の声をあげた。
「大丈夫だよ。このコの制服、お堅い学校でバカなら入れないし、あそこの学費を支払ってる親なら入園料の取立てくらい雑作のない事だ。不祥事にはしたくないだろうから活動資金も上納してもらえるだろう。」
サラリと受け流すと、雲雀はハルに向かって続ける。
「入園料以上働いた分、ウチの委員会に寄付ってことで納得してくれるなら休憩時間を利用して赤ん坊を探しに行っていいよ。一応タイムカード押してバイト現場に連れてくから着いてきなよ。ノロノロしてると咬み殺すよ。ボクは昼寝がしたいんだ。」
呆気に取られる風紀委員達を無視して雲雀は踵を返すと、すかさずその後ろをハルは走った。

事務所で書類に記入を済ますとハルは事務所の更衣室とは違う扉の方に案内された。
イーストの甘く自然な芳しさが漂ってくる。パンの工房だった。
大型のガスオーブンと、広い調理台。
その上には菓子パンの材料に使うのだろうメープルシロップの業務用缶詰、ジャムやマーガリン、パスタなどまでが揃っている。ご町内遊園地とは思えない設備と材料である。

「早く着替えてくれる?」
ハルの目前に白い割烹着やら薄手のスキングローブ、給食当番のような帽子が突き出された。
「ハヒ!!」
慌てて着替え終えると何と雲雀当人も給食当番ルックで立っていた。ご丁寧にマスクまで着用である。
何とはなしにハルはその姿について語ってはいけない本能の囁きに身を委ね、急ぎパン生地の材料を調理台の上から必要なものを順番に並べていった。
「パンはメープルマーガリン、渋皮マロン、ナポリタン、ピーナッツクリーム。レシピは冷蔵庫横のマニュアルに遵ってやる。キミはとりあえず生地を纏めてくれる?ボクは具の仕込みと衛生面での指導をする。マスクはしないと殺すから。」
ハルは命からがら、という様子でマニュアルを見た。
ぎっしりと見やすい大きさのワープロ文字で印刷されたレシピは誰にでも理解されるように書き連なっており、ハルでも容易く短時間で生地を作り上げることができた。
「へぇ、キミ、筋がいいね。ボクはどんな人間にでも理解できるようにレシピを作ったつもりなんだけど、来た連中は全く使い物にならなくてね。全員治療が必要そうだったから救急車を呼んでも叱られないようにグチャグチャにして追い出したんだ」
「ハヒ?これ、とーっても解りやすいですよ。並盛中学校って凄いですねぇ〜」
無邪気、それは最大の武器であるかもしれない。ハルは嬉々として仕事をこなし、雲雀は黙々とナポリタンの具材を刻んだ。
馴れてくるとハルという少女は怖いものがないのか、毎朝壁を歩いていく赤ちゃんの可愛らしさについて熱を込めて話し始めた。それでもハルは手を止めてはいないし、材料の配合も間違えてはいない。
「キミ、意外にアホっぽいのにセンスはいいよね。」
そのうちに雲雀も答えるようになってくる。
「ハヒー、ハル照れちゃいます〜・・・赤ちゃんはリボーンちゃんっていうみたいです〜。ぎゅううって抱っこするのがハルの夢なんです・・・。」
「赤ん坊に触ってみたいとはボクも思うよ。」
会話は全く噛み合っていないのだが見事に成立しているように他人目には見えてしまうのが恐ろしい。
ハルは言葉の通り、リボーンを赤ちゃん、幼児と見做していて可愛いものに目がない女子中学生の健全な会話である。
一方の雲雀は「闘って肉薄したい」というものであり、あまり他の感情は込められていない。つまり全くお互いの言葉を理解していないにも関わらず会話は弾んでいるのである。
しかし、後のヒバードを鑑みるに、円らな瞳に雲雀が弱いのかもしれないので真相は闇の中である。

窓の外では副委員長の草壁が男泣きに泣いており、リボーンのおでん屋でその夜一晩泣き明かしたことを知るものはまだ居なかった。

次回予告 死ぬ気でバイト大作戦〜お芝居とホンネ・SIDE山本〜


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[壁]_-)チラッ

ハルと雲雀の絡み、面白かったです〜☆

しゃべり方ハル入ってマス

次回、山本登場!
楽しみぃ〜
maly (2007/08/20 4:00 PM)










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